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葬祭コラム

人形供養は葬儀社にお任せ

 人形の街と言われているところは全国でも各所にあります。都内では浅草橋や関東近辺では、埼玉県の岩槻市などひな人形で有名です。そういう地域では、町ぐるみで人形供養祭などが、地域行事として行われます。市民の人にとってはありがたいかもしれません。
 最近では葬儀社のイベントとしてこの人形供養祭も盛んに行われています。たいていは営業企画なので無料のところもありますが、あまり量が多いと少し料金をいただく場合もあるかもしれません。いずれにしてもそのような機会を得て、古い人形を処分することができます。
 葬儀社の人形供養では、主に地元の僧侶などを招いて供養の読経や奉納者の焼香などが行われます。あわせて野外にテントなどを張って、縁日のように屋台の振る舞いなどをにぎやかにやっているところもあります。
 供養祭が終わると多くは、廃棄物処理業者に引き取ってもらうこともありますが、中にはぬいぐるみなど、十分きれいなものがあれば、二次使用で他の発展途上国の子供らに送ることもあります。もちろんこれは貢献事業ですが、ぬいぐるみも人形もまた他の国でかわいがられれば、それはそれでいいことなのかもしれません。
 日本では人形供養はもちろんですが、いろいろな道具についても供養をします。
 たとえば縫い針なども「針供養」といって、字のごとく針を供養します。昔は生活の中で縫い物は欠かせない日常の仕事でした。日ごろお世話になっている針に感謝して、その時には豆腐などの柔らかいものに針を刺すことで、針に対してのねぎらいとしました。
 その後、針の刺さった豆腐やこんにゃくなどは川や海に流します。
 そのほかに、現代的には携帯電話やパソコンなどにも「供養」があるようです。
 つまり私たちは、愛用品や愛着のある、またお世話になった道具類には不要になったからと言って、簡単には捨てられない気持ちがあります。これは日本人的な特徴なのかどうか、不明ですが、「包丁塚」などもあり、そこには料理人たちの参詣もあります。
 この先、ヒト型のロボットなどが普及するとより一層、私たちの生活に密着してペット化すると思います。
 そうなると、ペット葬が盛んなように、ロボット葬も人並みになされるかもしれません。すでに20数年前に発売された犬型ロボット「アイボ」も老朽化して、部品供給が終了しています。そこで「アイボ」の「飼い主」は廃棄するには忍びない「供養」を営み始めたそうです。そうすると「アイボ」の墓、「アイボ」の戒名まで、ということになるかもしれません。